駒の動かし方その3

竪行 前後になら、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。また左右へも一目だけ進めます。
成れば[飛牛]です。

飛牛 横以外の六方向へなら、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。

横行 左右へなら、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。また前後へも一目だけ進めます。
成れば[奔猪]です。

奔猪 前後以外の六方向へなら、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。

飛鷲 終盤もっとも威力がある駒です。
縦・横と斜め後方へは、駒を飛び越さない限り何目でも進めます。
また斜め前方へは、以下のいずれかの進み方ができます。
  1. どちらかの(1)に行ける。
  2. たとえ間に敵・身方の駒があっても、それを飛び越してどちらかの(2)へ行ける。
    従ってどちらかの(2)に敵玉がいれば合い駒利かずの王手になる。
  3. どちらかの(1)へ行き敵駒を取って、その足でそのまま斜め前の(2)へ行く(突き抜く)ことや、元いたマス目に戻ること(居食い)が一手でできる。
    また、敵のいない(1)へただ行って元のマス目に戻って来るという動きもできる。これは「じっと」といい、パスしたのと同じ効果をもたらす。

角鷹 前以外の七方向へなら、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。
また前方へは、以下のいずれかの進み方ができます。
  1. (1)に行ける。
  2. たとえ間に敵・身方の駒があっても、それを飛び越して(2)へ行ける。
    従って(2)に敵玉がいれば合い駒利かずの王手になる。
  3. (1)で敵駒を取って、その足でそのまま(2)へ行く(突き抜く)ことや、元いたマス目に戻ること(居食い)が一手でできる。
    また、敵のいない(1)へただ行って元のマス目に戻って来るという動きもできる。これは「じっと」といい、パスしたのと同じ効果をもたらす。

麒麟 スミ四方へは一目だけ進めます。また前後左右方向へも、一目越して二目先へ飛んで行けます。
成れば[獅子]です。

鳳凰 前後左右へ一目だけ進めます。また四隅の方向へも、一目越して二目先へ飛んで行けます。
成れば[奔王]です。

奔王 中、終盤に威力ある駒です。
全方向へ、駒を飛び越さぬかぎり何目でも進めます。

獅子 接近戦に強く、序、中盤戦には絶大な威力を発揮します。
この駒には、動かし方が次の3通りあります。
  1. (1)のいずれかのマス目へ行ける(つまり王将と同じ動き)。
  2. たとえ(1)に敵・身方の駒があろうとも、それを飛び越して(2)のいずれかのマス目へ行ける。
    従って敵玉が(2)のどこかにいる場合は合い駒利かずの王手となる。
  3. 王将の動きが一手で二回続けてできる。つまり、
    1. 「(1)のいずれかのマス目→その隣の(1)または(2)」と、敵駒2枚を一手で続けて取れる。
    2. 「(1)のいずれかのマス目へ敵駒を取りに行き、その足でそのまま元いたマス目へ戻る」ことが一手でできる。
      これは結果的に、元の位置にいながらにして隣接する敵駒を喰ったように見えることから、「居食い」と呼ばれる。
    3. 敵駒のいない(1)のいずれかのマス目との間を、一手で往復することができる。これは「じっと」といい、パスしたのと同じ効果をもたらす。
    というような動きができる。
さらに獅子には、次のような特別ルールがあります。
  1. 身方の駒の進路上に身方の獅子があることを、中将棋では「獅子がつながれている」とか「獅子につなぎ駒がある」と言います。これは現代の将棋風に言えば、「獅子にひもがある」状態のことです。
    そして、「つながれている獅子を獅子で取ってはならない」というルールが中将棋にはあります。
    ただしこのルールには次のような例外があります。
    1. 敵味方の獅子が隣り合っている局面*では、敵の獅子がつながれていても、隣接する身方の獅子で取って良い。
    2. 敵味方の獅子が隣り合ってはいないものの、「歩兵・仲人以外の敵駒」と、その隣にある「つながれた敵の獅子」、これら2枚の敵駒を一手で続けざまに取るなら獅子で取っても良い。これを「付け喰い(つけぐい)」または「喰い添え(くいそえ)」と呼ぶ。
  2. 身方の獅子が取られた直後の手では、相手の獅子を取ることができず、一手待たねばなりません。これを「先獅子(せんじし・せんしし)」と呼びます。ただし、獅子で獅子を取ったときは先獅子になりません。

*補注
獅子・飛鷲・角鷹は一手で二歩動くこともできるが、一歩目の移動後・二歩目の移動前に現れる瞬間的な駒の並びは「局面」とは言わない。
ここでいう「局面」とは、あくまで差し手に手番が回ってきたときの盤面状態を指す。

[その2へ戻る]戻る

目次に戻る

inserted by FC2 system